2012年5月9日水曜日

各地の市民測定所による たけのこ 測定

測定対象としては、関東を通り越して、すでに東北以北に旬が移動していると思われますが、各地の測定所によるタケノコの測定結果をまとめましたので、紹介いたします。

                       













 
                                             たけのこ放射能検査



4月になってから、行政によるタケノコの測定結果が出始め、あらたな規制値の100Bq/kgを超えるデータの公表もありました。}

市民測定所にもたけのこの測定依頼が増えてきはじめ、これはひとつの測定所でデータを蓄積するだけではなく、測定所間で広くデータを集積し、公開していくことが有益であろうと判断しました。



そこで、フェスイブックの測定所のグループで呼びかけをし、ネット上ののファイルに書き込む形で、データの集積を測りました。

ほぼ1ヶ月をかけて集まったデータを見やすい形にまとめました。



今回は、測定機がAT1320Aという機種に偏ってしまいましたが、今後はもっと広くよびかけ、様々な測定機による測定結果が集まればよいなあ、と思っています。



市民による測定の特徴は、いろいろな方法で、ひとつのものを計測している点にあります。
たけのこ という一つの検体に様々なアプローチで計測を試みているるのです。
生のまま、茹でてアク抜きをしたもの、部位による違い、皮を測ってみる。茹で汁はどう? 大きさによる違いは? ・・・


東林間では、たけのこももちろん計測しましたが、竹の地下茎から伸びる側根も調べてみました。地下茎も測定する予定ですが、機械で粉砕したものの、まだまだ細かくしなければ、計測できません。

竹は、地表に近いところに、それこそ茸の菌糸のように地下茎、側根を張り巡らし、地下茎に栄養をため込みます。その地下茎からタケノコが出てくるのですから、地下茎の値が高ければ、来年もタケノコへの汚染が十分考えられるだろう、という予想です。

座間の測定室でタケノコ、土壌を計測し、同じ場所の側根、地下茎は東林間で測定、更に葉も測ってみる予定です。

その葉は、座間にもう一台導入されたAT1320Aの持ち主、大木さんが計測してくださるでしょう。竹自体も根本に近い部分を頂いてあるのですが、どう試料として処理すればよいのか、難儀いたします。




今回は計測を始めて公開まで1ヶ月も経ってしまい、関東でのタケノコのシーズンもほぼ終了という段階での公表となってしまいました。始めての試みで、試行錯誤が多々ありました。
一つひとつの測定についてはツイッターなどで情報を小出しにしつつ、まとめとして今回のようなスプレッドシートを公開する、といった2段構えの方法が良いかと思います。


南から北に移動していく野菜の産地、それを追いかけながら、計測のまとめを公表できたら良いなあ、と考え、測定所のネットワークに提案しています。


















2012年5月6日日曜日

AT1320Aの導入とLB200の扱いについて


  1月27日に東林間測定室に待望のATOMTEX社 AT1320Aが到着。試験計測、実験計測、依頼検体の計測を続けています。


 こちらの機械は、コストパフォーマンスに優れた測定機です。各地の市民測定所でも、価格面、性能面から、導入されることが多い機種です。


 東林間測定室は、チャンプールの事務所内に設置し測定を進めていきますが、横浜市民測定所と協力しつつ、運用します。

 これは、現実問題として、午前から午後3時までは、本来の仕事があり、測定をする時間がとれないということがあります。その測定できない時間を、横浜市民測定所のもうひとつの測定所として利用していただこう、ということが理由です。また、私も横浜市在住で、横浜市民測定所のメンバーでもありますので、こうした運用形態を考えました。


 横浜市民測定所と同一機種での計測であり、同一検体のクロスチェックも可能、さらに座間のラ・リチェッタさん(AT1320A導入済み)、大木さん(AT1320A 5月導入)との同一検体でのチェックも可能。全国の市民測定所のネットワークにも参加しており、ゲルマニウム半導体測定機を含め、他機種とのチェックも可能となる予定です。

 クロスチェックの必要性は、設置環境による計測値の違いを見極めることが可能となり、さらに他機種での計測値とのチェックにより、AT1320Aの精度の向上に貢献できることになります。



 LB200については、核種分析ができず、自然に存在する核種の放射能も拾ってしまうことから、移動計測専用の機種として運用します。AT1320Aと同一検体を計測することによって、その精度ほ高めることは可能だと考えています。

 以前お知らせしていた会員が講習会を受講し、LB200による計測は105円という設定は、破棄いたします。

 検体の詰め方により、数値が大幅に変化しますし、天然核種の存在について理解されていない方のご利用、データ公表により、誤った計測値の拡散の可能性を排除するためです。経験を積んでいない方には利用不可の機種と判断しました。